■決勝
◇7月4日 ◇川崎市大師公園野球場
南瀬谷ライオンズ(横浜)
201200=5
010011=3
清水ヶ丘ジャイアンツ(横浜)
【南】馬場、音村、村瀬、古川、音村─山尾
【清】松﨑、永田─皆川
二塁打/橋元(南)北村、塩田、長養(清)
【評】南瀬谷ライオンズは初回、一死から橋元涼と井村琉の連打と盗塁で二、三塁とすると、山尾燈汰の左犠飛で先制、さらに5年生の永野颯人の安打に敵失が絡み2点目。清水ヶ丘ジャイアンツは2回裏に長養陽輝の内野安打と永田継の左中間適時二塁打で1点を返すが、南瀬谷は3回に山尾の左前打から好機をつくり1点を追加、4回にも二死二、三塁から馬場壮輝が2点適時打。清水ヶ丘は5回に北村嘉太朗の左翼線二塁打と松﨑星太朗主将の中前適時打で1点、最終6回にも塩田晃誠、長養の連続二塁打で1点を返したが反撃もそこまで。南瀬谷が逃げ切って初優勝を決めた。
優勝
=初

投打ガッチリかみ合い頂点へ
先制、そして中押し。理想的な展開で試合を進めた南瀬谷ライオンズがそのまま逃げ切り、大会初制覇を決めた。
「県大会に出ることが当初の目標だったんです。まさかここまで来られるとは」
渡邉記章監督は喜びと同時に驚きも隠さず、最高の笑顔を浮かべた。
「出ることが目標だった」という言葉は本音だろう。この日、準決勝に駒を進めたベスト4はすべて横浜市代表。決勝で破った清水ヶ丘ジャイアンツは、昨秋の新人戦では関東チャンピオンに輝いており、準決勝で対戦した戸塚アイアンボンドスも、全国の強豪たちから一目置かれる存在だ。
今大会出場の横浜市代表は5チーム。うち、市予選優勝の清水ヶ丘、準優勝の戸塚、さらに3位の南瀬谷と、古豪の明神台リトルグランパースまで、4チームが上位を独占しているのだから、今年の横浜市がまれに見るハイレベルな激戦区だというのは明らか。さらに、県大会に出られなかったチームの中にも、全国を目指していた強豪がいくつもある。
今年の横浜勢にとっては、全国以前に、県大会に出るためのハードルが例年以上に高いものだったのだ。それゆえの「出ることが目標」だったのだろう。
ただ、逆に考えれば、県大会にコマを進めることさえできれば、そこでも上位を狙える、という思いはあったのではないか。加えて、結果的に、見知った相手との対戦となった準決勝、決勝だったからこそ、自分たちの持ち味を存分に発揮できた、とも考えられる。

㊤1回表、左前打の橋元が山尾の犠飛で先制のホームへ ㊦2点目の適時打を左前に放った永野

決勝は清水ヶ丘との一戦となったが、南瀬谷は初回に理想的な流れで先制し、試合を優位に進めた。
「この大会では、(打順)一番の古川泰輔と二番の橋元がきっかけを作ってくれれば、打線全体がうまくリズムに乗ってくれました」と渡邉監督。初回は橋元の安打を足掛かりに先制、4回には古川と橋元の連打が起点となり2点を追加した。
2回に1点を返され、3回にも無死一、三塁と同点、さらに逆転まで考えられるピンチに立たされたが、ここで、準決勝でも好リリーフした音村星茶が登板して後続を断つと、続く4回も無失点で切り抜けるパーフェクトピッチング。粘る清水ヶ丘打線を抑え込み、流れを相手に渡さなかった。
「絶対に甘いボールは投げない、と思って投げました」と音村。「フォアボールやデッドボールを(出すことを)恐れず、とにかく厳しくいこうと思いました。打たせれば、みんなが守ってくれるから」
準決勝は先発、決勝ではリリーフと、音村同様に2試合で登板、粘り強い投球でチームを支えた村瀬嘉泰主将は「最高です! 準決勝のアイアンボンドスも、決勝の清水ヶ丘も、どっちも強いチームで、接戦は覚悟していましたが、勝ててほんとにうれしいです」と喜び、「ここから切り替えて、全国大会に向けて、また1からしっかり準備をしたいです。元気が取り柄のチームなので、みんなで声を出して頑張ります!」と元気いっぱいに話した。

㊤4回表、5点目のホームに生還する山尾 ㊦音村は6回裏二死から再びマウンドに上がり、試合を締めくくった

全国の強豪が集う、愛媛へ。「未知の世界ですからね」と渡邉監督。「とにかくしっかり準備して、神奈川代表として、気持ちでは負けないように戦うだけですね」
激戦の横浜に始まり、神奈川を制して挑む大舞台も、自然体で戦うのみだ。
準優勝

二冠ならずも投打ともに成長
どこか線の細さを感じさせた昨秋の新人戦から、攻守ともにひと回りパワーアップし、貫禄すら感じさせた清水ヶ丘。
明神台グランパースと戦った準決勝では、先発の松﨑主将を「決して彼が悪かったわけではないんですが、相手打線が、うまく合ってる感じがして」(益留順一監督)と早めに交代し、長養陽輝が要所をきっちりと抑えて完封リレーで勝利を収めた。
決勝では再び松﨑主将が先発、南瀬谷の強力打線と対峙したが、先手を奪われる苦しい展開に。清水ヶ丘打線も粘り強く戦い、最終回まで得点を重ねて猛追したが、及ばなかった。

6回裏には先頭の塩田が右中間二塁打を放ち㊤、続く長養の中越え二塁打で1点を返すも届かず㊦

「南瀬谷さんの打線の怖さは分かっていたんですが…。やられました」と益留監督。「ウチの攻撃では、3回ですかね…」と決勝を振り返った。
1対3で迎えた3回裏、清水ヶ丘は九番・北村と一番・川崎晃輔の連打で無死一、三塁と、またとない反撃のチャンスだったが後続が倒れ、無得点に終わった。
「あそこで点を取れなかったのが響きましたね。残念。勝負どころで、自信を持ってプレーできなかった部分があったかもしれません…」
それでも、新人戦王者の貫禄と同時に、確実に成長した姿も披露した清水ヶ丘。準優勝で出場権を手にしたGasOneカップに臨む。
「もう一度、出直しですね」と会場を後にする益留監督同様、銀メダルを受け取ったナインの目も、すでに次の目標へと向いている様子だった。
■準決勝
▽第1試合
清水ヶ丘ジャイアンツ〇3対0●明神台リトルグランパース


【評】ともに走者を出すものの得点には至らない場面が続き、もどかしい展開となった一戦。しかし3回裏、清水ヶ丘は一番・川崎が四球を選ぶと、二番の松﨑主将がバント安打で続き四番・塩田の左中間適時二塁打で2点を先取。5回にも松﨑主将と三番・皆川遥人の連打で1点を加えると、マウンドを先発の松﨑主将から長養(写真㊦)へと、早めの継投で明神台に反撃を許さず、完封リレーで決勝進出を決めた。


【コメント】
▽明神台リトルグランパース・瀬戸篤志監督「正直、ここまで勝ち上がれるとは思っていませんでした。良い試合ができたと思います。選手たちに感謝です。熱心なお父さん、お母さんがチームに勢いをくれました。5年生も人数がいるので、来年もここに戻って来れられるよう、しっかりチームづくりをしたいと思います」
▽同・東春玖主将「試合結果は悔しいですが、3位になれたのはうれしい。一番、伸びたのは打撃と、チームワークの良さです。まだ大会はあるので、勝てるように頑張りたい」

▽第2試合
南瀬谷ライオンズ〇9対5●戸塚アイアンボンドス
※タイブレーク7回


【評】戸塚が初回、加藤丈志と平井麻翔の連打で先制、さらに四球を挟んで山本梛生主将とゲルバンド丈士の連打、続く連続バントで4点を先取。しかし、南瀬谷は3回表に古川が左翼フェンスを越えるソロ本塁打を放つと、続く橋元が安打を放ち、バッテリーエラーと敵失でホームにかえって2点目。5回表には古川と橋元の連打、さらに四球を挟んで山尾と馬場の連打で3点を奪い、ついに逆転。その裏、戸塚も加藤丈志の右翼フェンス越え本塁打で追いつき、無死一、二塁開始のタイブレークへ。7回表、井村の右前打、馬場の左中間二塁打などで4点を挙げた南瀬谷がその裏をゼロで抑え、勝利を手にした。

【コメント】
▽戸塚アイアンボンドス・桑山嗣俊監督「そんなに点を取られないと思っていたんですが、ここまで連係にミスが出るとは…。ここだけを目標にしてきたので、次はどうするか。切り替えないとですね。それにしても、選手たちもみんな伸びているだけに(悔いが残る)…。野球は難しい。勉強になります」
▽同・山本梛生主将「シーズン前よりもチームは強くなったし、力は出せたのかなと思います。悔しさを力に変えて、これからの試合で優勝できるように頑張ります」
▽同・加藤丈志選手「いまはバッティングが楽しい。好きな選手は山本由伸投手。これからの大会で勝てるように頑張ります」
